
【書評】『となりの億万長者』に学ぶ|倹約こそ資産形成の最短ルート
この記事は6分で読めます
こんにちは。今日も記事をご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介する『となりの億万長者』(トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコ 共著)は、アメリカの富裕層を長年にわたって調査し、彼らの実像をデータで描き出した一冊です。
「億万長者」と聞くと、高級スーツに身を包み、最新型の高級車に乗っている姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。テレビやSNSで目にする富裕層のイメージは、たいてい派手で華やかなものです。
ところが、実際の億万長者の暮らしぶりを調べてみると、その姿はまったく違うようです。
本書から見えてくる結論を一言でまとめるなら、お金持ちの本質は「倹約」にあるということです。この記事では、本書の要点を5つの切り口で整理しつつ、明日から取り入れられそうな考え方や行動も一緒に紹介していきます。
億万長者は意外なほど質素に暮らしている
本書を読んで一番驚かされるのは、億万長者たちの生活が想像以上に質素だという事実です。
200万ドル以上の資産を持つ富裕層であっても、スーツに1000ドルや5000ドルもかけることはないことが本書で紹介されています。
だいたい399ドルくらいの手頃なスーツを、何年も大切に着続ける。時計も車も住まいも、ごく一般的な水準のものを選ぶ傾向があるといいます。
テレビやSNSが派手な富裕層像を映すのは、その方が映えるからでしょう。けれど現実の億万長者は、そうしたイメージとはずいぶん離れたところで暮らしているようです。
ここで本書が繰り返し強調するのが、ひとつのシンプルな原則です。
それは、収入よりもはるかに低い支出で暮らすこと。これさえ続けていれば、お金は自然と貯まっていく、というわけです。
それでもケチではない — 価値を感じるものには使う
質素な暮らしと聞くと、「我慢ばかりでつらそう」と感じるかもしれません。でも本書を読む限り、億万長者は決して我慢の上に成り立っているわけではなさそうです。
彼らがしているのは、お金の価値観をちゃんと決めて使うことです。
自分にとって本当に価値を感じるものには、惜しまずお金を使う。一方で、価値を感じないものは、たとえ安くても買わない。承認欲求を満たすためだけのモノやサービスには手を出さない。このあたりの線引きが、貧乏な生活との大きな分かれ道になっているようです。
ロングセラーの『バビロン大富豪の教え』にも似た話があります。欲望は無限に湧いてくるけれど、その中から本当に大切なものを選び取り、優先順位をつけて満たしていく。倹約とは禁欲ではなく、無駄を省く技術なのだと感じます。
車であなたのステータスは変わらない
富裕層と貧乏層の決定的な違いとして、本書は「価値観」の差を挙げています。
富裕層が望んでいるのは、経済的に自由になることです。お金に振り回されず、自分の人生を自分で決められる状態。
一方で貧乏層が望みがちなのは、良い暮らしをしている、もしくは他人からそう見られることだといいます。
この違いは、買い物のたびに小さな差として積み重なっていきます。
富裕層は他人の視線に惑わされず、自分が何にお金を使うかを自分で決められます。
だからこそ、ロールスロイスに乗っても中古のベンツに乗っても、自分のステータスは変わらないと知っている。逆に貧乏層は、見栄のためにお金を使ってしまうので、いつまでも手元にお金が残らない、という構図です。
車一台で自分の価値が決まるわけではない、というのは当たり前のようでいて、忘れがちな視点かもしれません。
明日から始める「収入の8割で暮らす」4ステップ
ここまでの話を踏まえて、具体的にどう動けばいいのか。本書のエッセンスを参考にしつつ、4つのステップに整理してみます。
ステップ1: 家計簿をつける
まずは家計簿をつけて現状把握からやりましょう。何にいくら使っているかが見えるようにすることが初めの一歩です。
今は無料の家計簿アプリもたくさんあるので、入り口のハードルはずいぶん低くなっています。
支出が見えるようになるだけで、行動はかなり変わります。
ステップ2: 固定費を削減する
次に、効果が大きい固定費の見直しをします。
格安SIMへの乗り換え、不要な保険の整理、使っていないサブスクの解約など。一度手を入れれば、その効果がずっと続くのが固定費の良いところです。
ステップ3: 変動費を削減する
電気をこまめに消す、コーヒーを水筒で持ち歩く、といった小さな工夫の積み重ねです。
ただし、ここはやりすぎ注意のところでもあります。
筆者自身、食費を削りすぎて1日1食生活にしたら、メンタルがぐらついて反動で暴食してしまった経験があります。この経験から食費は無理に削らないようにしています。
削るのは「自分にとって価値のないもの」だけ、というのが大事なポイントになります。
ステップ4: 半年~1年続けてみる
短期で結果を求めず、半年から1年ほど続けてみると、支出の優先順位が自然と見えてきます。「これは別になくても困らなかったな」と気付けるものが、思っているよりずっと多いはずです。
貯めると使うのバランス — 予算の範囲内で生きる
倹約の話をすると、「とにかくお金を貯めるべき」という極端な方向に振れがちです。ただ、本書はそこまで極端な貯蓄を勧めているわけではありません。
貯めることは、いわば将来の自分にお金を送る行為です。一方で、今この瞬間にしかできない経験もあります。家族との旅行や、若いうちにしか味わえない挑戦など。だからこそ、バランスが大事になります。
私の場合、毎月の予算を手取りの55%程度に設定しています。10%以上オーバーしなければ気にしないというゆるさもあり、気楽に生活できています。
全く遊んでいないわけではなく、適度に旅行に行ったり友人と飲みに行ったり満足度の高い生活が送れています。
予算の中身は、ライフスタイルやライフステージによって大きく変わります。
独身か家族持ちか、都市部か地方か、で適切な比率は違ってくるはずです。自分にとってちょうど良いバランスを、家計簿を見ながら少しずつ調整していくのが現実的かなと思います。
まとめ — お金持ちの本質は倹約である
『となりの億万長者』が伝えているのは、シンプルだけれど忘れがちな真実です。
「たくさん稼いでたくさん使う」というのは、お金持ちのほんの一部の姿でしかありません。本物の富裕層は、収入に対してはるかに少ない支出で暮らし、自分が価値を感じるものにだけお金を使っています。
家計簿で支出を見直し、自分にとって本当に必要なものを選び、収入よりも低い支出で生活を回していく。地味ではありますが、これを続けていけば、お金は少しずつ貯まっていきます。
共に頑張っていきましょう。
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。
